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二酸化炭素濃度計の「NDIR方式」とは?原理をわかりやすく解説

SCD30のCO2センサー

新型コロナウイルス感染防止対策のガイドラインは、内閣官房の新型コロナウイルス感染症対策推進室のホームページに掲載されています。

店舗などでは二酸化炭素濃度計を設置し、二酸化炭素をモニターしたうえで適切な換気をすることが要請されていますが、気になるのはその原理です。

肉眼では見ることができない二酸化炭素を、数値として見える化することはとても有意ですが、その中でも長期安定性と高い測定精度を実現するとされるNDIR方式について解説します。

NDIR方式とは

まず、二酸化炭素をどうやって測るかですが、現在主流となっている技術は赤外線センサーを活用するものです。

二酸化炭素はご存知の通り色も臭いもなく、肉眼で見ることはできません。

このようなガスは自然界にたくさんありますが、そうした気体を測定できるのがNDIR方式のセンサーです。

NDIRはNon Dispersive InfraRed(非分散型赤外線)の略で、正しくは非分散型赤外線分光法という技術を使ったセンサーがNDIR方式のセンサーということになります。

NDIR方式のセンサーの原理とは

NDIR式センサーの原理を知るためには、気体の性質を理解しておく必要があります。

気体(分子)は振動を起こしますが、二酸化炭素(CO2)は、酸素(O)原子と、炭素(C)原子が結合している間が常に振動しています。

この分子の振動の周波数は分子ごとに異なるため、周波数を特定すると分子を特定することが可能です。

そして、分子が自分と同じ周波数を持つ赤外線を吸収する習性を持つことから、吸収された赤外線の量を取得することで、その気体の濃度を測定する仕組みになっています。

つまり、NDIR方式のセンサーは、赤外線量を測定することで二酸化炭素の量を測定できるセンサーです。

計測原理は、赤外光を光源からスペクトル分解せずに放出し、それを反射させて光学フィルタで透過波長を限定することで、該当するガスを検出する仕組みになっています。

NDIR方式のセンサーの構造とは

NDIR式センサーの中には赤外光源があり、二酸化炭素がどれだけ光を吸収したかを測る光学フィルタが設置されています。

具体的な構成は、フィラメントなどの赤外光源と光チョッパ、ガス計測用のセルと光学フィルタ、検出器という構成が一般的です。

詳細な構造はメーカーによって異なりますが、実際に周囲の気体を取り込むサンプル出力の構造と、比較用に設置するリファレンス出力の構造とを持つダブルビーム方式では、長期的に安定した測定が可能です。

NDIR方式のセンサーは構造がシンプルなため、メンテナンスが容易だというメリットもあります。

単発ではなく連続測定にも適しているため、以前から二酸化炭素だけでなく、広くガスの計測に用いられてきました。

赤外光源からは赤外光が放出されていて、セルの中にある二酸化炭素がそれを吸収すると赤外光の強度が減少します。

これをリファレンス用のセル(赤外光を吸収しない窒素などが封入されている側)と比べ、強度差を検出することでデータを得る構造です。

NDIR方式のセンサーの課題とは

NDIR方式のセンサーに限りませんが、測定器は必ず定期的な校正が必要です。

校正とは計器の狂いや精度を標準器と比べて把握することを指しますが、センサーはさまざまな要因で狂いが生じます。

たとえば赤外光を発している光源が劣化する、内部を通る光の反射率が劣化する、光を受け取る受光素子の特性が変化するといったことで、正しく二酸化炭素濃度が測定できなくなる課題はあります。

製品の中には独自の自動校正機能を搭載しており、常により高精度な稼働を実現する製品もありますので、センサーを選定する際には頭に入れておいたほうが良いでしょう。

一言で二酸化炭素濃度センサーといっても製品によって精度が大きく異なりますし、残念ながら格安で売られているようなセンサーの中には、ほとんど検知できないようなものもあります。

非常にサイズが小さく使い勝手の良いものが多いですが、選択時には精度についても考慮するようにしましょう。

また製品寿命も気になるところですが、取り込む二酸化炭素の量によっても寿命は左右されます。

多くの製品では期待寿命として10年から15年程度を見込んでいますが、二酸化炭素の影響で期待寿命より短くなってしまうケースも少なくありません

ただ近年では二酸化炭素に耐性のあるセンサーを搭載することで寿命を延ばす製品なども開発されています。

まとめ

新型コロナウイルス感染防止対策のガイドラインでも求められている二酸化炭素濃度計は、NDIR方式のセンサーが主流となっています。

NDIR方式のセンサーの原理は、二酸化炭素が赤外線を吸収する性質を利用するものですが、製品によって検知精度が異なりますので注意しましょう。

また、いかに精度の高い製品でも、定期的な校正で状態を把握することが大切です。

使用環境によっても精度の狂いや製品寿命が変わってきますので、正しくメンテナンスをして適切に使用するようにしてください。

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