感染症対策ガイドライン（住宅業界）

政府は、新型コロナウイルス感染症の感染を防ぐため、「新型コロナウイルス 感染症対策の基本的対処方」などの方針を打ち出しています。
これを踏まえ、策定された感染症対策ガイドラインが、一般社団法人住宅精算団体連合会による、住宅業界における感染症ガイドラインです。

住宅の建設やリフォームを行っている住宅産業は、地域の中小零細工務店によって支えられています。
新型コロナウイルス感染症の感染防止のために営業を停止することは、倒産や離職につながり
住宅業界にとって、多大なダメージを引き起こすことになります。

中小零細工務店が安全に事業を展開する指針となるのが、住宅業界における感染症ガイドラインというわけです。
ここでは、ガイドラインの内容をわかりやすく説明します。

事務所における指針

新型コロナウイルス感染症に感染した可能性のある職員は

症状がおさまるまで、自宅待機が原則です。
新型コロナウイルス感染症の主な症状は、発熱、咳、倦怠感、息苦しさなどです。

高齢者や糖尿病などの基礎疾患がある人で、発熱や咳などの症状が出ている人は、特に気を付けます。
必要に応じて「帰国者・接触者相談センター」に問い合わせ、アドバイスを受けるようにしましょう。
テレワークや時差出勤を取り入れ、できるだけ混雑や接触を避けます。

食堂や休憩室を併設している場合

職員が同時に使用することがないように工夫することが求められているのです。
事務所では、デスクとデスクの間を2mほど空け、こまめに換気を行います。
事務所内はマスク着用が原則で、事務所の出入り口には消毒液を設置しましょう。

顧客や職員が触れやすい場所は、こまめに消毒します。
事務所内のトイレでは、共用タオルまたはドライヤーは使用禁止とし、代わりにペーパータオルを設置しましょう。

住宅展示場等における指針

住宅展示場のある都道府県で緊急事態宣言が出された場合

不特定多数の人が訪れる展示業務をストップします。
商談中の顧客や事前に予約をした人のみに対して業務を実施することが可能です。

来場者には、感染症対策のルールについて説明し、実施を求めます。
新型コロナウイルス感染症の症状が見られる来場者は、来場を遠慮してもらうよう伝えることが大切です。

受付には消毒液や、ビニールカーテンを設置します。
打ち合わせコーナーに設置するテーブルとテーブルは、最低1mの間隔を空け、室内は十分な換気を行います。
展示場に用意されているスリッパやドアノブなどは、こまめに消毒し、カタログや雑誌などは放置せず、元に戻しておくようにしましょう。

建設現場・作業場における指針

建設現場や作業場で働く人も、事務所勤務の人と同じように、症状が現れている場合は、自宅待機が求められます。

通勤について

公共交通機関の混雑を避けるため、自家用車を推奨します。
建設現場・作業場に入る前に検温を実施し、記録・保管しなければなりません。

現場での対応

仮説水道を整備し、必ず消毒液（石鹸も可）とペーパータオルを設置します。
また、送風機などを設置して、十分な換気が行える環境を作りましょう。

現場で働く人は、原則としてフェイスシールドやマスク、マウスシールドを着用します。
現場には、資材などを搬入する業者が出入りすることもありますが、その場合は、搬入業者に対しても、マスクの着用と消毒が求められます。
昼食や休憩時は、職人同士が密接しないように気を付けましょう。
2mの距離を確保できる環境が理想です。

工場における指針

工場内は、新型コロナウイルス感染症に感染した疑いのある人の入場を禁止し、感染防止に努めることが求められます。
工場内には、こまめに消毒できるよう、事務スペースをはじめ食堂や休憩室にも消毒液の設置が必要です。

工場の出入り口には消毒液を設置し、工場内はこまめに換気を行いましょう。
窓を開けるだけでも効果があります。

工場見学を実施する場合は、事前予約で見学者を募り、来場する人の数を限定します。
なお、工場関係者や見学者はマスク着用が原則です。

感染者が出たときの対応

事務所や建設現場、住宅展示場などで感染者が出た場合、保健所に速やかに知らせましょう。
保健所では、今後の指示を出しますので、従うようにしてください。

感染者から濃厚接触者の有無を聞き、リストを作成することも、大事な作業です。
感染した従業員に対して、注意する点があります。

それは、感染した従業員を不当に解雇したり、感染防止を目的に、個人情報を流出させたりすることです。
こうしたトラブルのないよう十分に注意しましょう。

まとめ

住宅業界における感染症ガイドラインについて、わかりやすく説明しました。
住宅業界では、事務所をはじめ、住宅展示場や工場、作業場などで人との接触が考えられます。

二酸化炭素濃度計を使用して、二酸化炭素濃度をチェックすると同時に
関係者は、マスクの着用や手の消毒など、感染症対策に則って行動することが求められます。

ガイドラインを参考にして、安全な事業活動を展開していきましょう。