このページでは新型コロナ感染症対策としての「換気」について紹介しています。
新型コロナ感染症(COVID-19)感染拡大原因のひとつとなっているのが空気感染です。室内では適宜換気し、空気感染リスクを下げることができます。正しい換気の目安や効果的な方法を確認していきます。
感染状況は日々変わっていきますが、感染者数が落ち着いたからと対策の手を弱めると、再び感染者数がリバウンドすることにも繋がりかねません。感染者数リバウンド防止策として徹底した換気対策をとっていきましょう。
目次
なぜ換気が必要なの?
新型コロナ感染症(COVID-19)は、接触感染や空気感染などで感染拡大していきました。
ウイルスを含んだ細かい飛沫(エアロゾル)が大気中を漂い、別の人がそれを吸ってしまうと空気感染するリスクがあります。
マスク着用などで大気中にウイルスを出さない・吸わない工夫も重要ですが、完全には防げません。
室内では適宜換気をすることで「淀んだ」空気を入れ替え、空気中の新型コロナウイルス密度を減らして感染リスクを下げる必要があります。
また新型コロナ対策だけでなく、汚染物質(二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、ホルムアルデヒド(HCHO)、ハウスダスト、花粉、細菌)を薄めるためにも換気は有効です。
なお多くのエアコンでは換気ができないため、エアコン以外の方法での対応が必要です。(参考:DAIKINウェブサイト)
特に多くの人が一定時間滞在する店・オフィス・家などでは定期的な換気を行える体制づくりが重要です。
特にマスクを外して食事をする機会がある会食では新型コロナウイルス感染症対策分科会より「換気が良く、座席間の距離も十分で、適切な大きさのアクリル板も設置され、混雑していない店を選択」と提言されるなど、自身だけではなく滞在場所の換気状況にも気を配っていきましょう。(参考:新型コロナウイルス感染症対策分科会「緊急事態宣言解除後の地域におけるリバウンド防止策についての提言(令和3年2月25日)」)
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換気の目安は?
どのくらい換気をすればよいかご存知でしょうか。
二酸化炭素濃度を目安に
目に見えない大気状況ですが、「二酸化炭素濃度」が換気時期の目安になります。
新型コロナウイルス感染症対策分科会の提言では、当面の間の飲食業の指標として「二酸化炭素濃度測定器を用いて店内を測定し、二酸化炭素濃度が一定水準(目安1,000ppm)を超えないように換気や収容人数を調整する」と示されています。
様々な二酸化炭素濃度計が市販されていますので、積極的に導入し活用していきましょう。
なお、部屋の大きさ、部屋にいる人数、活動状況、換気装置の有無などを入力することで現在の換気状況をある程度判断できるエクセルファイル「換気シミュレータ(日本産業衛生学会 産業衛生技術部会)」も公開されています。
ご自身がいる、または管理している部屋がどの程度換気が必要なのか、ある程度の目安にできます。
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効果的な換気の方法は?
効果的な換気の方法をご紹介します。
対角の窓を開ける
窓を開ける場合はできるだけ部屋の対角にある窓を開けると効果的に換気ができます。
窓を開けて換気するときの時間と回数の目安は、1時間に5~10分程度と言われています。1時間に10分の換気を1回するよりも、1時間に5分の換気を2回する方が換気の効果は高くなります。できるだけ、回数を多く換気をすると効果的です。
風を小さく入れて大きく出す
窓から風が入りにくい場合などは、空気は小さい隙間から勢いよく入り、大きい隙間から出ていきやすいため(地下鉄の入り口の風が強い原理)、外から入ってくる側の窓は小さく開けて、外に空気が出る側の窓を大きく開けると効率的な換気ができます。
窓がひとつ・窓がない部屋
窓が1つしかない場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを窓の外に向けて設置すると効果的です。窓がない部屋の場合は、部屋のドアを開けて、扇風機などを置いて部屋の外に空気が流れるようにしましょう。
(参考:DAIKINウェブサイト)
冬場の換気
冬など外が寒いところでの換気方法として厚生労働省では下記を推奨しています。寒いと換気を怠りがちですが、下記の指標にそって換気を行い、「きれいな」空気を維持しましょう。
- 18℃以上かつ40%以上に維持できる範 囲内で、暖房器具を使用しながら(加湿器併用も有効)、一方向の窓を常時開けて、連続的に換気を行う(難しい場合は可搬式の空気清浄機を併用)
- 一方向の窓を少しだけ開けて常時換気をする方が、室温変化を抑えられる
- 人がいない部屋の窓を開け、廊下を経由して、少し暖まった状態の新鮮な空 気を人のいる部屋に取り入れること(二段階換気)も、室温変化を抑えるの に有効
- 商業施設など機械換気設備等があるところでは外気取り入れ量等を調整し、必要換気量 (一人あたり毎時30㎥)を確保