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パルスオキシメーターで測る血中酸素濃度(酸素飽和度/サチュレーション)について理解していますか?

パルスオキシメーターで計測

新型コロナウイルスの感染拡大で自宅療養者が増えています。

新型コロナウイルスの症状が悪化すると呼吸が困難となることがありますが、自覚症状を持たない方も少なくありません。

そこで、自宅でも簡単に血中酸素濃度が測定できるパルスオキシメーターを備える方が増えています。

テレビのニュースなどでも、パルスオキシメーターや血中酸素濃度、酸素飽和度という言葉を頻繁に見聞きするようになりましたが、その意味するところを理解していますか?

目次

血中酸素濃度(酸素飽和度/サチュレーション)とは

新型コロナウイルスに感染すると、高齢者や基礎疾患をある方を中心に急激に血中酸素濃度が低下する方がいます。

いざ気づいた時には早急な入院が必要になるほど重篤化しているケースも増えており、問題視されています。

そこで、自宅療養やホテル療養をする方は、自覚症状がなくても、定期的にパルスオキシメーターで血中酸素濃度(酸素飽和度/サチュレーション)を測定するよう求められているのです。

血中酸素濃度、酸素飽和度、サチュレーションはどれも同じことを意味していますが、医療用語で正確に言うと、動脈血酸素飽和度(SpO2)を示します。

血液を赤くする成分であるヘモグロビンのうち、何%のヘモグロビンが酸素と結合しているかを示す数値であり、最大値は100%です。

正常な値と危険な数値

個人差はありますが、一般的に若い世代の場合、酸素飽和度は98%程度です。

高齢者になると95%ほどに低下します。

パルスオキシメーターの精度や測り方や環境などにもよりますが、誤差を踏まえても、測定された数値が95~99%であれば、大きく心配する必要はありません。

では、100%なら完璧な元気人間かというと、そうでもありません。

健康的な100%の方がいる反面、過呼吸を引き起こしているケースもあるからです。

新型コロナウイルスの軽症者として自宅療養やホテル療養をされている場合、95~99%であれば、通常問題ないとされますが、95%以下に下がってくると要経過観察など、訪問診療の医師やホテルに待機する看護師などの目が厳しくなります。

肺や心臓に慢性的な疾患を持っていない健康な方でも、酸素飽和度が93%ほどに下がると危険信号が灯り、90%を切るとかなり深刻な状態になります

90%を切れば、呼吸不全と診断される状態です。

90%を下回ると、急激に酸素飽和度が低下するため、医師はすぐに入院するよう手配します。

なぜなら、体内のさまざまな臓器に酸素が行き届かなくなり、生命の危機を生じる状態になるからです。

よくテレビのニュースで92%などの数値を示した患者に対し、医師が世話しなく救急車を要請している映像が流れるのはこの理由からです。

90%を下回って入院となれば、酸素療法を行うことや状態によっては人工呼吸器療法によって酸素分圧を上げる必要さえ生じます。

さらに、肺に基礎疾患をお持ちの方やそのほか臓器に疾患を抱えている方、身体能力が低下傾向にある高齢者であれば、もっと高い水準でも深刻な状態に陥るので注意しなくてはなりません。

パルスオキシメーターによる測定

パルスオキシメーターを用いることで、呼吸困難が生じているか、入院が必要かどうかが瞬時にわかります。

機器を指に挟むだけで測定できるのでスムーズです。

パルスオキシメーターの仕組みは、皮膚の上から光を当てて、動脈血の赤みがどのくらいかを測定します。

赤血球に含まれているヘモグロビンという赤い色素の量を測る仕組みです。

なぜかといえば、ヘモグロビンは酸素とくっつく性質があるからです。

ヘモグロビンは酸素とくっつくと赤くなりますが、逆に酸素から離れると黒く変色します。

肺で酸素を溜め込んで、心臓から全身へと運ばれる動脈血は色が赤いのに対し、全身に酸素を巡らせた後の静脈血は黒っぽい色をしています。

つまり、パルスオキシメーターで動脈血の赤みを測定することで、肺から酸素を十分に取り込めているかを知ることができるのです。

測定時の注意点

パルスオキシメーターは血液中のヘモグロビンの量を測定する機器ですが、もともと貧血気味の方はヘモグロビンの量が少ない傾向にあります。

そのため、実際には酸素飽和度に問題がなくても、測定できるヘモグロビン量が少ないために、酸素飽和度が低下して危険な数値が出てしまうこともあるので注意が必要です。

また、狭心症発作に用いられるニトログリセリンや不整脈の薬の一部には、内服することで酸素飽和度が低く評価されるケースがあります。

ホテル療養や自宅療養者で貧血や心疾患などを持っている方は、その旨を正しく医師や看護師、保健師などに申告しましょう。

一方、貧血で抵抗力や体力がない方、心疾患などを抱えていると酸素飽和度の低下だけでなく、重症化のリスクも高いので、より注意しなくてはなりません。

正常値でも注意が必要

酸素飽和度が95%を超えていても、安易に安心はできません。

人間の体は生き残るために、体内の酸素が少なくなると、呼吸の回数や量を増やそうとします。

酸素を多く採り入れる際に、多くの二酸化炭素を排出してしまいます。

正常な状態なら十分な酸素と引き換えに、適度な量の二酸化炭素を排出していますが、酸素不足が生じるとバランスが崩れ、一気に酸素不足に陥るリスクがあるのです。

そのため、酸素飽和度が95%であったとしても、呼吸が非常に荒くなったら気を付けなければなりません

まとめ

パルスオキシメーターで測る血中酸素濃度(酸素飽和度/サチュレーション)は、血液中の赤い色素成分であるヘモグロビンの量を測ることで、酸素が足りているかを示します。

ヘモグロビンには酸素とくっつく性質があるためです。

血中酸素濃度が95~99%であれば通常は問題ありませんが、それを下回った場合や呼吸が荒い時は注意しなくてはなりません。

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